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本☆「着物」と「悪女について」

「艶やかに着物を着て、男達を次々に翻弄する悪女になる。」
それが2012年の私の目標よ!

、、、っていう話ではなくてですね。(ちょっぴりは憧れるけれど)



友人が読みたい本のリストの中に、たまたま私の持っている本があったので、
友人に貸した本の感想(備忘録)です。
本☆「着物」と「悪女について」_a0187426_2134470.jpg


『きもの』幸田文著

花だったり宝石だったりと、何かをモチーフにした小説は今までも読んだことはあります。
でも、この本ほど物が(着物が)小説の核をなしているものは、あまり読んだことはないかもしれません。

文体はきびきび無駄がなく、きっと作者の性格なのでしょう。
主人公のルツ子の子供時代から結婚までを、彼女を中心に家族や友人達を織り交ぜながら語られます。

作者の父親はあの幸田露伴。
その父親に行儀、家事の一切を厳しくしつけられたと何かで読んだことがあります。
(女はどんな赤貧の家に嫁いでも弱音をはかず、明るく働くというのが露伴の理想だったらしい)

作者が仕込まれた生活の知恵や考え方が、おばあさんが孫に語りかける形で度々出てきます。
このあたりは映画にもなった小説「西の魔女が死んだ」のおばあさんに似てるかも。

例えば豊かさとは何かを孫に伝える場面で、おばあちゃんとの会話の中から、
物質的な豊かさ、いや、貧しくても心が豊かならば幸せな人生ともいえるかも。
人間としての品とは何か。清貧とは等々、ルツ子は成長過程の度々で考えます。

着物の手入れの仕方、着方、選び方等、おばあさんの知恵やルツ子の観察眼を通して、
自分はどんな生き方をしたいか問いかけてくる小説です。

とはいえ、お説教臭くないし、教訓めいた感じがしないのは、
着物を通して語られているからでしょうね(^^)



『悪女について』有吉佐和子著

こちらは友人の読みたい本リストにはなかったけれど、
有吉佐和子の本が読んでみたいということで、私の大好きなこの本をお貸ししました。

ある女性の謎の死から物語は始まります。
彼女の死後、様々な関係者が聞き込みに答える形で小説が成り立っています。
でもサスペンスではないです。何のジャンルになのかなぁ~

ある者は彼女をあがめ、尊敬し「あれほど清らかで心が美しい女はいない」
ある者は「あれほど心が腐っている、嘘つき女はいない」
彼女に関わった、皆が皆違うことを口にします。

一体彼女はどんな女なの?とぐいぐい引き込まれていきます。
このあたりの話のもっていき方、作者の筆力が素晴らしいです。

時代背景が戦後のどさくさから、高度成長期に向かう頃の話なのでレトロな空気も漂います。

20代の頃に読んだ本(なのでボロボロ)ですが、いまだに手放せない面白い本。
私のおススメ本です。

やっぱり2012年は悪女になるのも悪くないかもね♪♪♪フフン(-.-)

魅力的なアクジョというよりはワルイオンナ

ただの根性悪おばさんになるだけか。。。ヤメトコ(-_-;)

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by mimoza1105 | 2011-12-28 21:24 | 本・ライブ・映画・jazz

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