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映画『ジェーン・エア』

本年度アカデミー賞 衣装デザイン賞ノミネート作品
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伯母にいじめられ孤児院に追いやられた薄幸の女主人公の辿る茨の道。
厚い信仰心と、強い独立心をもつ20歳前後のうら若き女性が、
家庭教師として迎えられた館の主人と身分違いの恋に落ちる。

館の主人は誰にも言えない秘密、狂女の妻を隠し部屋に幽閉していた。
結婚式当日にその事実を知った主人公は愛する人の元を去り、信仰の道に生きようとする。
しかし最後には真実の愛のもと、二人が結ばれるまでの話である。

著者のC.ブロンテがこの小説を発刊した(当初は男性の筆名で出版している)
1847年の英国では、身分違いの恋、知らなかったとはいえ既婚男性との恋、
館の主人に自分の意見を述べる、精神的に自立した女性と、全てがタブー視されていた時代である。
C.ブロンテはどれほどの思いを込めてこの小説を書いたのだろうか。

そんな時代背景を考えながら観ると、主人公の清らかさ、潔さ、反骨精神は実に見事である。

物語の主人公は若くて美しい女性と決まっていた当時において、
貧弱な容姿の主人公、そして自由恋愛、自由意思を描いた、この小説は大反響だったとの事。
せめて小説の中だけでも夢をみたいと、多くの(若き)女性の憧れの生き方だったのかもしれない。

1月に観た映画「サルトルとボーヴォワール 哲学と愛」の
1908年パリ生まれの哲学者シモーヌ・ド・ボーヴォワールは、
自由恋愛、事実婚等、一生涯をかけて女性の自立した生き方を
模索、実践した女性だった。
内容も生き方も違うのだが、この映画を観終わった後にふと思い出してしまった。

小説の方がジェーン・エアの目を通した、登場人物像が丁寧(時には辛辣)に描かれているように思う。

だが映画の内容は小説にかなり沿っていたし、英国の旧い館、そこで暮らす人々等、映像でより鮮明になった。

映画の中、ジェーン・エアが館の窓から荒涼とした大地を眺めながら、
「地平線が女性の限界と思いたくない。女の人も力を~」

胸を打つ言葉だった。

―H24年の映画感想備忘録―
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by mimoza1105 | 2012-06-03 12:47 | 本・ライブ・映画・jazz

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