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名古屋ボストン美術館『日本美術の至宝(後期)』

名古屋ボストン美術館に行ってきました。
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これほどまでの国宝、重要文化財級の絵画等がアメリカに流出していることにまず驚かされます。

これらを買い集めたのは主にフェノロサとビゲローというアメリカ人。
何故彼らが数万点という途方もない至宝を手に入れたのかというと、明治の初め日本政府は廃仏毀釈政策を推し進め、多くの寺が取り壊され、土地を没収されました。

その結果、仏像・仏具は雨ざらしや廃棄、価値もわからぬまま二束三文で売買されていました。
又、徳川政権が終わり困窮した大名家のお宝も、どんどん骨董屋に流れていた時代でした。

日本の素晴らしい芸術にいち早く気が付き、何とか救い出したいと行動したのが、フェノロサでした。
20代のフェノロサは日本政府の招聘で東京大学で教鞭をとっていました。
当時のフェノロサの月給は今のお金にすると、1200万相当という驚きのお給料。
その潤沢な資金を元手にたくさんの美術品を購入したのです。

又彼は、今まで各々寺で秘密管理していた掛け軸や仏像の一覧を作り、初めて公のもとにその価値を明らかにする事に尽力しました。
その働きにより、日本政府も日本の至宝に改めて気が付くきっかけとなったのです。
そして、大金持ちのビゲローや、フェノロサの通訳兼助手をしていた岡倉天心へと引き継がれていきました。

アメリカに流出というと、悲しい気持ちになるけれど、別の見方をすれば、価値もわからぬまま廃棄されたり、眠っていたかもしれぬ、日本の至宝を救い出しきちんと評価して、美術館所蔵という形で守ってくれた恩人に感謝の気持ちも湧いてきます。
と同時に、時代背景を理解しつつも、明治政府の愚かな政策に憤りを感じました。

これほどの名品揃いの里帰り、今度はいつになるかわからないとのこと。
前期・後期と合わせて素晴らしい至宝が鑑賞でき本当に良かったです。
是非、皆様もお足を運んでみて下さいね。(後期:12/9まで開催)

詳しくは画集ガイドブックを眺め&読んで楽しみたいと思います。
名古屋ボストン美術館『日本美術の至宝(後期)』_a0187426_16405921.jpg


平治物語絵巻 三条殿夜討巻(鎌倉時代) の一部分(画集より)
炎、人物描写が生き生きとして惹きこまれそうなくらい溜息ものでした。
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by mimoza1105 | 2012-11-06 16:50 | 美術館・展・寺院

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by mimoza1105