人気ブログランキング | 話題のタグを見る

本☆ヴィクトール・E・フランクル 「夜と霧」

今週、読書会(本家)のメンバーさんが開く読書会に参加します。
課題本は「夜と霧」です。

夜と霧
ヴィクトール・E・フランクル
本☆ヴィクトール・E・フランクル 「夜と霧」_a0187426_17515074.jpg


わたしたちは、おそらくこれまでのどの時代の人間も知らなかった「人間」を知った。では、この人間とは何ものか。人間とはなにかをつねに決定する存在だ。人間とは、ガス室を発明した存在だ。しかし同時に、ガス室に入っても毅然として祈りのことばを口にする存在でもあるのだ
―本抜粋―

「言語を絶する感動」と評され、人間の偉大と悲惨をあますことなく描いた本である



ユダヤ人心理学者が自ら強制収容所で体験したことを元に、
被収容者達や自分の心理状態を、心理学の観点から考察する。
人生の意味、人間とは何かを語りかけてくる。

全てに付箋をつけたいくらい重くて意味のある内容ばかりだ。
今回は感想ではなく、自分なりの要点備忘録です。

アウシュヴィッツ他、強制収容所
被収容者達の第一段階
衣服、髪全てを失い番号のみ→過去の自分の消滅→収容ショック

過酷な強制重労働、飢えの日々、弱ればガス室もしくは病死
現実を把握→失望→恩赦妄想→叶わぬ夢→絶望、生きる気力なし→自殺願望者、自殺者があらわれる

第二段階
自分は息をしているただの有機体という存在を思い知る
→感情の消滅や鈍磨、内面の冷淡さと無関心

毎日毎時殴られ罵倒されること、次から次へと死んでいく仲間達に対し何も感じなくなる→無感覚感
⇒この無感覚感は必要。心を囲う(守る)、なくてはならない盾となる

精神的に追い詰められた日々→精神生活全般が幼稚なレベルまで落ち込む
⇒生命の維持のみに集中するため幼児性、退行がすすむ

この時フランクルは問う
人間の精神は特異な社会環境に反応する時、
強いられたあり方の影響をまぬがれることはできないのか?

⇒人は強制収容所に人間をぶちこんですべてを奪うことができるが、
たったひとつ、あたえられた環境でいかにふるまうかという、
人間としての最後の自由だけは奪えないことに気付く

フランクルはいつでも別の収容所にいる妻を心に浮かべ会話する
⇒愛は生身の人間の存在とはほとんど関係なく、
愛する妻の精神的な存在「本質」に深くかかわっていることを知り学ぶ

だが、人間がくだす決定など、とりわけ生死にかかわる決定など、
どんなに信頼がおけないものかも思い知る

第三段階
被収容者、監視側にかかわらず、この世にはふたつの種族しかいない
「まともな人間」と「まともでない人間」

人間性を忘れ群れの一匹になりはてる人が多い、悪魔的心

少数ではあるが完全なる内なる自由を表明し、
プライドを持ち、生を意味深いものにした人
⇒人間の内面は外的な運命よりも強靭なのだということを証明した人

運命が人間を苦しめるのなら、受け入れ直視→苦しみ尽くす
苦悩には意味がある⇒苦しむことはなにかをなしとげること
その先には⇒光がある
涙も恥じなくてよい、苦しむ勇気を持っている証だから

生きることは(人生が)彼らから何かを期待している
⇒人間は人生からたえず問いかけられている存在

未来に彼らを待っている何か(愛する人、仕事等)がある
待っている何かを自覚すれば、生き続けることを担っている責任の重さに気づかされる
⇒自覚した人間は、自分がなぜ存在するかを知っているので、
ほとんどあらゆる「どのように」にも耐えられる

第四段階
強制収容所から解放された人々の心のあり方
自由の意味を履き違える者、あたりまえの常識を忘れた者
解放された元被収容者達の精神的ケアの大切さ、そして難しさを知る

数年前読んだときはここまで深く心に刻み込まれなかった
3.11の被災者の方達が脳裏をよぎる

事例を心理学に照らし合わせながらも、専門用語をなるべく使わず
一般の人達向けにわかりやすく書かれていた。

一言々、一文々かみしめながら読了した。
長文、最後まで読んでくださりありがとうございましたm(__)m

いつもご訪問ありがとうございます。1日1回押してくださると嬉しいです058.gif
にほんブログ村 ライフスタイルブログ 自分磨きへ
にほんブログ村

にほんブログ村 ライフスタイルブログ 暮らしを楽しむへ
にほんブログ村

にほんブログ村 料理ブログ おもてなし料理へ
にほんブログ村
by mimoza1105 | 2013-04-09 18:03 | 本・ライブ・映画・jazz

日々の彩り徒然なるままに


by mimoza1105