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柴田元幸先生:大人気トークイベントで有意義な時間

昨日のブログの続きです。
柴田元幸先生(アメリカ文学研究者、翻訳家、エッセイスト、小説家、モンキービジネスの編集長、東京大学大学院人文社会系研究科教授、現代文芸論研究室に所属)の大人気トークイベントはとても有意義な時間でした。

読書会メンバーのどの方向(変化球有り)からの質問も、先生の頭の中の膨大な引出から瞬時に取り出して、とてもわかりやすく答えて下さいました。
一昨年・昨年・今年と3年連続、75名の募集が数時間で満員御礼というのも納得です。

先生が責任編集しているモンキービジネスという本は、有名な小説家が何人も寄稿している、自由で遊び心ある贅沢な文芸誌です。
この本の中に先生が訳した『書写人バートルビー ウォール街の物語』が入っています。
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以下は本日のトークイベント、先生の解説の備忘録です。@藤が丘 青猫

作者のハーマン・メルヴィル(1819年8月1日 - 1891年9月28日)アメリカの作家で、この小説は死後評価される。
彼の生きた時代、ニューヨークが急激に大都市へと変貌していく。
都会に住む人間の(大人数の中の)孤独、アメリカの深淵を書いた小説のはしり。

メルヴィルが続けて書いた両極に位置する2作を読むとよくわかる。
アメリカ精神としての善は『変わる・動く』(現大統領オバマもチェンジと)
逆に悪は『変わらない・動かない』こと。
『白鯨』・・・動の小説
『書写人バートルビー』・・・静の小説(バートルビーは仕事、食事、最後は生きることさえ拒む)

ウォール街・・・小説の中でも壁が色々な場面にでてくる=拒否する心
書写人・・・今でいうコピー機のような仕事。壊れたコピー機=役に立たない人間

そんなところからも『書写人バートルビー』は会社員小説のはしりとか、
元祖引きこもり小説と言われている。
他にも色々と、当時のアメリカの時代背景からわかりやすくひも解いてくださる。

別の課題図書2冊も同様に説明。参加者も真剣に聞き入る。

翻訳していく上で大切にしていること、アメリカと日本の小説の書評の違い等、
翻訳家の先生でないと聞けない話をたくさん伺う。
他にも教授としての話等、たくさんの肩書を持つ先生ならではの面白い話も色々。

私の質問にも丁寧に答えてくださり感激!
何より温かい先生の人柄が素敵でした。
今回私は初参加でしたが、来年も是非参加したいと思っています(^^)

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by mimoza1105 | 2012-04-14 22:16 | 本・ライブ・映画・jazz

日々の彩り徒然なるままに


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